■セキュリティ&プログラミングキャンプ・キャラバン−長野−■
- 開催レポート -

平成20年12月6日(土) 10:00〜16:10
長野県長野工業高等学校 情報技術科棟 プログラミング室



主催者: 独立行政法人情報処理推進機構、
財団法人日本情報処理開発協会
共 催: 長野県長野工業高等学校
後 援: 長野県教育委員会


■参加者
39名
社会人:5名、大学生:2名、高校生:32名

■実施報告
準備および周知期間が短かったため、また高等学校内での開催ということで、果たしてどれぐらいの参加者が来場するのか未知数であったが、共催先の長野工業高等学校情報技術科の先生方の全面的な協力と懸命の周知活動により、同校生徒を中心に当初の予想を遥かに上回る参加者が来場し、また、最後のフリーディスカッションでも多くの質問があり、これに答える講師陣の絶妙の受け答えもあって、非常に盛り上がったキャラバンであった。

同校情報技術科プログラミング教室は設備が整っているために、当日は午前8:55より準備を開始したが、プロジェクターやスクリーン、各机上のモニタへの配信まで、さしたる設定もなしに動作確認できたため、スムーズに準備完了して、9:30より参加者受付(その前に来場した参加者4名)を開始して、定刻10:00よりセキュリティ&プログラミングキャンプ・キャラバン-長野-開始。

最初に事務局から本日のスケジュールと注意事項について説明があり、本編に入った。


■プログラム
10:00
〜10:30
■セキュリティ&プログラミングキャンプの紹介

セキュリティ&プログラミングキャンプ事業の主旨、実施に至った歴史的な経緯、過去5回のセキュリティ&プログラミングキャンプ(セキュリティキャンプ)の実施成果、今年のキャンプ2008の講義内容などを簡単に説明し、今年のキャンプの模様をビデオで上映した。
10:30〜11:15 ■情報セキュリティ基礎
(講師:園田道夫)



情報セキュリティの基礎として、セキュリティとはどういうことを指すのか、現在のセキュリティ上の様々な問題点、情報漏洩について考える、ネット詐欺対策について考える、など多くの実例とデモを交えて説明した。特に自分のPCを守るための対策やフィッシングなどのネット詐欺にかからないためには、など特に若い方を対象として、現在の情報セキュリティにおいて重要な課題について説明した。
11:25
〜12:15
■情報セキュリティ応用1(仮想マシンの便利さと落とし穴
〜仮想マシンモニタの機能を例にとって〜)
(講師:宮本久仁男)



仮想マシンとは何か、また代表的な仮想マシン構成とその特徴について概要を説明し、さらに構成のモデル化とその脅威について、侵害されるポイントなどを中心に説明した。また、代表的な実装であるXenの仕組みについて説明し、仮想マシンの利点や欠点、実装上の注意点についても詳細に説明した。
昼食 休憩
13:30
〜13:42
■情報セキュリティ応用2(無線LANについて考える〜みなさんは、無線LANについてご存じですか?)
(講師:滝崎芳枝)



いまや簡単の利用できるようになった無線LANにおける脅威や想定される被害について、実際の犯罪例を交えて説明した後、WEPとTKIPの脆弱性についてデモを通して判りやすく解説した。また、利用側でできる防御策やメーカー側の取り組みについても言及した。
13:52
〜14:49
■プログラミング基礎(インターネットが変えた社会)
(講師:吉岡弘隆)



プログラミング基礎として、アルゴリズム、ソースコードの読み方、デバッグの方法、プログラミングの勉強の方法などを解説したあと、コンピュータが動く仕組みとソフトウェアを作る工程、プログラミングの楽しさとプログラマーという職業の面白さ、オープンソースソフトウェアの開発形態が生まれた歴史的背景の説明、インターネットの誕生が社会に与えた多大なる影響、オープンソースソフトウェアの開発工程、バザールによるソフト開発の面白さと参加することの意義や勉強会などのコミュニティの重要性について詳細に説明し、若い方々にプログラミングの面白さや勉強会に参加することの楽しさ、などを伝えた。質疑応答があり、以下の質問が出た。

・ オープンソースに関わるようになったきっかけは何ですか?
・ 最初に出会ったコンピュータは何でしたか?
15:00
〜15:30
■プログラミング応用(Javascriptでプログラミングの楽しさを共有しよう)
(講師:天野仁史)




ご自身のプロフィール紹介を経て、自分一人に力で実現でき、また人に使ってもらえる、発見できる楽しさなど、プログラミングの持つ楽しさを説明し、スキルとしてのプログラミング能力の重要性やプログラムが世界を変えることだってできることを伝えた。また、ハッカソンを例にとって、プログラミングの世界での人との繋がりや出会うことの楽しさ、さらにそれを生かしていくことの楽しさなどを説明し、夏のキャンプで講義したJavascriptでゲームを作ることを例にして、実際に動いていく過程を紹介しながら、プログラミングの楽しさを参加者に判りやすく伝えた。
15:35
〜16:10
■フリーディスカッション(質疑応答)



参加者からの主な質問は以下のとおり。

・ソースって何ですか?

・どんなオープンソースプロジェクト(コミュニティ)に参加したら良いか?

・Rubyのソースコードを読むにはどうしたら良いか?

・無線LANの開放の動きについてはどう思うか?

・マイコンでLispの処理系を作るにはどうしたら良いか?


などなど。

各質問について、その都度全講師が対応し、最後は全講師から参加者に対して、今後ITにどのように取り組んでいくのか、また自分の興味を引き出し持続させるには、などなど一言ずつアドバイスを話していただき、非常に盛り上がった中で16:10に終了。
最後に今回のキャラバンを受け入れていただいた長野工業高校の上野先生から総評をいただいた。

終了後も多くの参加者が残り、講師陣に対して多くの質疑応答が行われた。

終了後は直ちに撤収作業を行い、会場の現状復帰まで済ませて、16:40に全ての作業を完了した。


■参加者の反応
今回は長野工業高校の生徒が参加者の大半を占めていたが、1〜3年生まで参加したので、それぞれの個々のスキル差もあり、講義によってはなかなかついていけない参加者も見受けられた。また、県内の高等学校の先生のご参加もあり、ただ、なかなか地方の高校生にはこういったイベントや勉強会に参加する機会が少ないので、普段学校では絶対に聞けない話が聞けて、非常に有難かった、という声や、こういったキャンプがあることは知らなかったが、若者を育てるという意味では非常にユニークな事業であり、ぜひともうちの学校の生徒にも参加するように伝えたいと思う、という参加者(先生)もおり、参加者からは概ね好評をいただいた。

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